Z400系の歴史について
2013年03月31日 22:04
| Z400LTDについて
本項では、Z400系のバイクの系譜を簡単にお伝えします。

Z400系のバイクの一番最初は、
「400RS」というマシンが始祖になります。

このバイクが生まれたきっかけの一つとして、
免許制度改革が関わっています。
1975年に、大型自動二輪が400cc以上と規定され、
大型免許が試験場での限定解除(一発試験)でしか取得できなくなりました。

ドリームCB400Fourが1974年に最初408ccで販売され、
免許制度変更の煽りを受けて、急遽398ccに仕様変更して1976年から販売継続された、
という話はあまりに有名です。
カワサキも制度変更にはかなりの衝撃を受けたようで、
当時北米をメインターゲットとして開発されたZ650(ザッパー)の開発を一旦止めて、
本車両の開発に注力したそうです。
当時のラインナップではKH400がいましたが、
「徐々に2stは消えていくだろう」と目されていた時代背景が有りました。
最量販クラスとなる400ccクラスの4サイクル車両に穴が空くのは絶対に避けたい。
なので、是が非でも開発を急ぐ必要があったのだと思います。
ある意味では、重要な責務の一翼を担っていたのかもしれません。

急ピッチで開発されたバイクは、400RSと命名され、
「美しいツイン」「美しいモーターサイクル」というキャッチコピーで発売されました。

この「RS」というこのネーミング。
俗にW3と呼ばれている、650RSと同じ流れをくんでいます。
つまり400RSはWの弟分。 “ROADSTER”とよばれる車両だったんですね。
…ROADSTERという単語は、
車はいわゆる日本で言うところの車の「オープンカー」の一種を指す言葉です。
これをバイクに当てはめると何を意味するか、という事を考えだすと、
当時の時代背景を含めたそれこそ哲学的な話になりまして、
1本のコラムが書けるようなボリュームになります。ここでは割愛。
(最近のストバイさんが掲げている“GT感”という言葉に近いものを感じます)


■ティアドロップタンクの流線型が美しいスタイリング。
正統派なバイクらしいルックスです。
ブレーキは極初期はドラムで、それ以降はシングルディスクが主流。

400ccで170kg 36馬力。
パワーなども特筆すべき箇所は、当時の水準で見ても無し。
ちなみにライバル車両のホンダ・CB400Tやスズキ・GS400は、
400RSより高出力な42馬力を出すエンジンを備えていました。
身内にもライバルとして、軽量ハイパワーを売りにしたKH400があり、
スピード面では端から相手になりません。
しかも今とは比較にならないくらいの「パワー至上主義」「スペック至上主義」の風潮。
メーカーの意図とは裏腹に、400RSの立ち位置は当時から非常に厳しいものだったようです。

■この段階ではエンジンの成熟がまだ甘く、いろんな雑誌の評価などを読むと、
バルブのオイル漏れが発生したり、バランサーのチェーン・スプロケットが
偏磨耗するというネガを抱えているようです。
エンジンの項でも書きましたが、
カワサキが4ストロークエンジンに対するノウハウをまだまとめ切っていなかったため、
ハイパワー方向には振れなかったんだと思います。
このマシンで培った経験とノウハウを生かして、
銘車・Z400FXが登場したのでしょう。
FXの登場後は、400RSはますます見向きもされなくなります。

1978年にマイナーチェンジが入り、Z400Bという名前に変更。
タンクがZ400FXに近い角タンクになり、シートカウルがついています。
コレはコレでかっこいいです。
ティアドロップタンクも素敵ですが、角ばったタンクから伸びるシートカウルへのラインが
カワサキらしくていいですね。

■大きな変更が入ったのは1979年。
エンジンが信頼性の高いものにマイナーチェンジされました。
このタイミングでZ400LTDが発売。
シートフレームに手を入れて、
よりアメリカンらしいスタイリングを作り出す事に成功し、
一躍大人気になったようです。
(詳細はこちらで)
この他には、


Z400カスタムという車両があります。
キャストホイールで、Z400Bと同じ外装。
個人的にかなり好みな形です。


海外向けとして、440ccバージョンもあります。
コレ乗ってみたいんですよね〜。
エンジンも気になりますが、低いハンドルが凄くかっこいい。
ライディングポジションはどんな感じなんでしょうか。

またカスタムにも前期型と後期型が有りまして、
こちらが後期型。
シートフレーム形をみるに、フレームはLTDのものを流用したのでしょう。
…なんか変。。前期型のほうがかっこいいと思います。

■1980年〜81年くらいで、キックがなくなりセルスタートオンリーになります。
また、この辺りでカワサキのロゴが"KAWASAKI”から現在まで続く"Kawasaki”となり、
点火方式も82年あたりを境にポイント点火からCDI点火になるなど、
めまぐるしい仕様変更が入った年代です。

最終的に1981年くらいからベルトドライブが作られて、
1984年辺りまで製造されてカタログ落ちします。
都合10年程度の間で作られたマシンでした。
国内ではLTDがバカ売れしたのでその印象が強いのですが、
派生車種がかなりたくさん作られていた事が分かります。


海外はKZ400、KZ440という名前で販売されていました。
またLTDはKZ400Hという名前で売られていました。
またKZ400においては、
スタンダード、スペシャル、デラックスというクラス分けがされていた国もあります。
スタンダードが国内仕様と同じなのですが、

スペシャルがドラムブレーキ(なぜ?)に2in1の集合管。

デラックスがフェアリングとパニアケースが付いている仕様になっています。
このデラックス仕様はかなり憧れます。パニアのサイジングが最適です。

このフェアリングはちょっとやってみたい。
ジャストなサイジングのものを探すのは難しいけど、
つけてみたいなぁ。

なんと警察仕様も有ったようです。
調べたところによると、ハンガリー警察のようです。

■世界中でZ400系のマシンは走っていたようです。
シンプルな構造ゆえ頑丈。
質実剛健かつ美しいスタイリングのバイクです。
…このページは、「Z400LTDについて 〜まとめページ〜」にリンクしています

Z400系のバイクの一番最初は、
「400RS」というマシンが始祖になります。

このバイクが生まれたきっかけの一つとして、
免許制度改革が関わっています。
1975年に、大型自動二輪が400cc以上と規定され、
大型免許が試験場での限定解除(一発試験)でしか取得できなくなりました。

ドリームCB400Fourが1974年に最初408ccで販売され、
免許制度変更の煽りを受けて、急遽398ccに仕様変更して1976年から販売継続された、
という話はあまりに有名です。
カワサキも制度変更にはかなりの衝撃を受けたようで、
当時北米をメインターゲットとして開発されたZ650(ザッパー)の開発を一旦止めて、
本車両の開発に注力したそうです。
当時のラインナップではKH400がいましたが、
「徐々に2stは消えていくだろう」と目されていた時代背景が有りました。
最量販クラスとなる400ccクラスの4サイクル車両に穴が空くのは絶対に避けたい。
なので、是が非でも開発を急ぐ必要があったのだと思います。
ある意味では、重要な責務の一翼を担っていたのかもしれません。

急ピッチで開発されたバイクは、400RSと命名され、
「美しいツイン」「美しいモーターサイクル」というキャッチコピーで発売されました。

この「RS」というこのネーミング。
俗にW3と呼ばれている、650RSと同じ流れをくんでいます。
つまり400RSはWの弟分。 “ROADSTER”とよばれる車両だったんですね。
…ROADSTERという単語は、
車はいわゆる日本で言うところの車の「オープンカー」の一種を指す言葉です。
これをバイクに当てはめると何を意味するか、という事を考えだすと、
当時の時代背景を含めたそれこそ哲学的な話になりまして、
1本のコラムが書けるようなボリュームになります。ここでは割愛。
(最近のストバイさんが掲げている“GT感”という言葉に近いものを感じます)


■ティアドロップタンクの流線型が美しいスタイリング。
正統派なバイクらしいルックスです。
ブレーキは極初期はドラムで、それ以降はシングルディスクが主流。

400ccで170kg 36馬力。
パワーなども特筆すべき箇所は、当時の水準で見ても無し。
ちなみにライバル車両のホンダ・CB400Tやスズキ・GS400は、
400RSより高出力な42馬力を出すエンジンを備えていました。
身内にもライバルとして、軽量ハイパワーを売りにしたKH400があり、
スピード面では端から相手になりません。
しかも今とは比較にならないくらいの「パワー至上主義」「スペック至上主義」の風潮。
メーカーの意図とは裏腹に、400RSの立ち位置は当時から非常に厳しいものだったようです。

■この段階ではエンジンの成熟がまだ甘く、いろんな雑誌の評価などを読むと、
バルブのオイル漏れが発生したり、バランサーのチェーン・スプロケットが
偏磨耗するというネガを抱えているようです。
エンジンの項でも書きましたが、
カワサキが4ストロークエンジンに対するノウハウをまだまとめ切っていなかったため、
ハイパワー方向には振れなかったんだと思います。
このマシンで培った経験とノウハウを生かして、
銘車・Z400FXが登場したのでしょう。
FXの登場後は、400RSはますます見向きもされなくなります。

1978年にマイナーチェンジが入り、Z400Bという名前に変更。
タンクがZ400FXに近い角タンクになり、シートカウルがついています。
コレはコレでかっこいいです。
ティアドロップタンクも素敵ですが、角ばったタンクから伸びるシートカウルへのラインが
カワサキらしくていいですね。
エンジン中心のマイナーチェンジ

■大きな変更が入ったのは1979年。
エンジンが信頼性の高いものにマイナーチェンジされました。
このタイミングでZ400LTDが発売。
シートフレームに手を入れて、
よりアメリカンらしいスタイリングを作り出す事に成功し、
一躍大人気になったようです。
(詳細はこちらで)
この他には、


Z400カスタムという車両があります。
キャストホイールで、Z400Bと同じ外装。
個人的にかなり好みな形です。

海外向けとして、440ccバージョンもあります。
コレ乗ってみたいんですよね〜。
エンジンも気になりますが、低いハンドルが凄くかっこいい。
ライディングポジションはどんな感じなんでしょうか。

またカスタムにも前期型と後期型が有りまして、
こちらが後期型。
シートフレーム形をみるに、フレームはLTDのものを流用したのでしょう。
…なんか変。。前期型のほうがかっこいいと思います。

■1980年〜81年くらいで、キックがなくなりセルスタートオンリーになります。
また、この辺りでカワサキのロゴが"KAWASAKI”から現在まで続く"Kawasaki”となり、
点火方式も82年あたりを境にポイント点火からCDI点火になるなど、
めまぐるしい仕様変更が入った年代です。

最終的に1981年くらいからベルトドライブが作られて、
1984年辺りまで製造されてカタログ落ちします。
都合10年程度の間で作られたマシンでした。
国内ではLTDがバカ売れしたのでその印象が強いのですが、
派生車種がかなりたくさん作られていた事が分かります。
【海外の様子】

海外はKZ400、KZ440という名前で販売されていました。
またLTDはKZ400Hという名前で売られていました。
またKZ400においては、
スタンダード、スペシャル、デラックスというクラス分けがされていた国もあります。
スタンダードが国内仕様と同じなのですが、

スペシャルがドラムブレーキ(なぜ?)に2in1の集合管。

デラックスがフェアリングとパニアケースが付いている仕様になっています。
このデラックス仕様はかなり憧れます。パニアのサイジングが最適です。

このフェアリングはちょっとやってみたい。
ジャストなサイジングのものを探すのは難しいけど、
つけてみたいなぁ。

なんと警察仕様も有ったようです。
調べたところによると、ハンガリー警察のようです。

■世界中でZ400系のマシンは走っていたようです。
シンプルな構造ゆえ頑丈。
質実剛健かつ美しいスタイリングのバイクです。
【Z400LTDについての最新記事】
ザッパーもフランスでゴディエジュヌー製作で警察車両になってたみたいです。
というオーナーズクラブ提供の情報が。
世界は広いですww
しかもその方、所有しててドレミコレクションに眠ってるみたいです。
メールを送る時に無効なアドレスと出ていたので、送れていない可能性がありましたのでアドレスを書いときました。
お手数ですが、メール送ってもらってもいいでしょうか?
すみませんがよろしくお願いします。
前期型のカスタムかっこいいですよね〜。
自分のLTDでは、シートフレームの影響でどうやっても後期型にしかならないとわかり、ある意味諦めが付きました。
ジョン&パンチの影響で、
カワサキの警察車両といえばZ1000なんですが、
世界中でカワサキ車両が警察で使われていたんですね。
お世話になります。
メール送信しました〜。
ご確認ください。
Z400Rに乗ってますがカスタムの後期型なんですね。
知りませんでした…
いい言い方をすれば稀少車。
普通に言えば不人気車です。
MINORUさん、
カスタムのオーナーさん! でた〜
一度拝見させて頂きたいですね。(どちらのお国の方だろう)
MINORUさん、3日〜6日が連休なんでいわき市出発点で福島県を堪能してきます。
LTDはお留守番でERですけどね。
はじめまして。
カスタムのオーナーさんは初めてお会いしました。
後期のカスタムはRと呼ばれたり、
ZR400(国内ではゼファー)と呼ばれたりだとか、
国によってめちゃくちゃみたいです。
この辺はカワサキでも全部把握しきれていないとか。
いずれにしろ希少車であることは変わりありませんね。
ぜひ現車を見てみたいです♪
これからもよろしくお願いします。
いわき〜福島いいですね!
パワーの有るERというのも羨ましいです。
丁度自分はその日程で東京周辺の旅行に行くんです。
都合が合えば食事でもしたかったです(汗
気をつけて楽しんで下さい!
こちらこそよろしくお願いします。
確かにカワサキ自体が把握していないみたいです。
純正部品を探す時痛感します。
カワサキに電話して
「Z400R」って言っても
「?」しか帰ってきません。
長野BSLTDさん
日向の国(薩摩)です。
ゴールデンウィーク明けに豊の国(豊前)に引っ越しますが。
機会があれば現車見てください。
傷だらけ、サビだらけで恥ずかしいですけど。
産めよ増やせよじゃないですけど、
相当なラインナップだったようなので、
しっかりメーカーが把握できていない車両が
相当数あるということなんでしょうね。
自分も「愛車はZ400LTDです」というと、
まず「四気筒ですか?」とか「あぁFXとおんなじエンジンの」
って言われますから(笑)
赤のZ400B、高校生の時にのってましたよ〜!よく調べていらっしゃるのに感心しました。あの時はフォークホイールがダサくてイヤでしたが、今はまた探して乗ってみたい気がします。ありがとう!
ありがとうございます〜。
高校生の時に乗られていたんですね。
勢いで書いたのですが、
結果的にいろいろ調べましたw
自分はキャストホイールがかっこ良く感じて、
LTDを買いました。スポークの400Bもかっこいいと思います。
これからもよろしくお願いします。
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